RSIってなに?
RSIは「Relative Strength Index」の略語です。
日本語では「相対力指数」と呼ばれています。
何だそれは?って思いますよね。
もう少しわかりやすい名前をつけて欲しいものです。
RSIは簡単に言うと、対象の銘柄が「買われすぎている」のか「売られすぎている」のかを表します。
「過剰に買われているからこれから下がるかもよ!」という逆張りのシグナルです。
0%~100%の間で表現され、一般的には70~80%以上が「買われすぎ」、30~20%以下が「売られすぎ」と言われています。
シンプルかつ強力であるため、広く使われている指標です。
RSIの計算式
RSIがどういう値なのか理解するために計算式を見てみます。
計算式を理解することで、個々のチャートに適した設定を行うことができるため理解しておくことをおすすめします。
設定を変更しすぎると市場が見ている指標とズレが生じるため、やりすぎには注意が必要ですが。
細かいことはどうでもいい!という人は読み飛ばしてください。
\[
最初のRSI = \frac{A}{A + B} \times 100
\]
\[
2つ目以降のRSI = \frac{A’}{A’ + B’} \times 100
\]
\[ A = \frac{n日間の値上がり幅の合計}{n} \]
\[ B = \frac{n日間の値下がり幅の合計}{n} \]
\[ A’ = \frac{(A × (n – 1) + 当日の値上がり幅)}{n} \]
\[ B’ = \frac{(B × (n – 1) + 当日の値下がり幅)}{n} \]
※一般に n は14日間で計算される
ややこしいのでざっくりと言うと次のとおりです。
一定の期間内での「値上がりの幅の合計」が「株価の変動幅の合計」を占める割合
計測期間の初日と最終日が同じ株価なら期間内にどれだけ変動していても50%になります。
2つ目以降のRSIの計算には、1つ前のRSI算出に使った平均値を使用するので、n日間以前の変動の影響も受けます。
RSIの計算式はいくつか存在します。
お使いのチャートによっては異なる計算式が仕様されている可能性があります。
相場の過熱感を捉える
RSIがどんなものか分かったところで、実際にチャートを見て見ましょう。

基準期間を14日、買われすぎラインを75%、売られ過ぎラインを25%に設定しています。
チャート下部のRSIの見方は次のとおりです。
- 薄い赤:75%を超えている場合
- 濃い赤:75%を超えている状態が解消されたとき
- 薄い緑:25%を下回っている場合
- 濃い緑:25%を下回っている状態が解消されたとき
このチャートを見ると次のように株価が推移しています。
- RSIが75%を超えて「買われすぎ」となる
- 株価が少し下がる
- 株価は再度上昇して最高値を更新する
- 株価が大きく下落してRSIが25%を下回って「売られすぎ」となる
- 株価が上昇し始める
RSIを逆張りのシグナルとして見ることで、次のような判断が出来ます。
- 「1.」のタイミング、またはRSIが「濃い赤」になったタイミングで売る
- 「4.」のタイミング、またはRSIが「濃い緑」になったタイミングで売る
「でもRSIが75%を下回った後に株価が上昇してるじゃん!」
って思った人もいると思います。
実はそれもRSIでは大切な観点です。
次章「RSIのダイバージェンス」で説明します。
RSIのダイバージェンス

「ダイバージェンスって何!?」
中二病を発症しそうな格好いい単語ですよね。
日本語で言うと「逆行現象」です。
最初から日本語で言えよと思いますよね。
私もそう思います。
でもダイバージェンスという単語がよく使われているのであえて使いました。
横文字文化を無くしたい。
ここまでにRSIが「買われすぎ」になったら株価が下落する可能性を示唆すると説明してきました。
ですが、例のチャートではRSIが一度75%を超えたにも関わらず、その後に高値を更新しています。
ここで注目してほしいのがRSIの推移です。
株価は上昇(赤線)していますが、RSIは下落(青線)しています。
これがダイバージェンス(逆行現象)です。
この逆行現象が発生すると、それまで続いていたトレンドの強さが弱くなっていることを示唆すると見ることが出来ます。
上のチャートでは上昇トレンドが弱まり、下落トレンドに転換する可能性を示唆しています。
実際にこの例では下落トレンドに転換しています。
注意点
RSIはボックス相場で威力を発揮しますが、強いトレンド相場では株価が上昇(下落)を続けてRSIが70(30)%付近に張り付いてしまうことがあります。
そのためRSIだけに頼るのではなく、MACD等の他の指標と組み合わせて使用することが推奨されています。
トレンド相場ではトレンド転換を示唆するダイバージェンスを使用すると良いかもしれません。
どの投資手法にも言えることですが、こうなったら絶対に株価は上がる!下がる!というものはありません。
各自で慎重に投資判断をするようにしましょう。
まとめ
RSIはテクニカル指標の中でも非常にシンプルかつ協力な指標です。
数値を見るだけで「買われすぎ」なのか「売られすぎ」なのかを示唆してくれます。
しかし、それ故にどう使うべきかが難しい指標でもあります。
可能性を示唆してくれるだけで必ずこうなる!という万能な指標ではありません。
MACD、移動平均、ボリンジャーバンドなど、異なる指標と組み合わせて様々な観点で分析することで同じRSIでも違った意味が生まれます。
有効に活用するためには総合力が必要です。
分析精度を高めるためにも、様々な指標やファンダメンタルズを読み解く力をつけていかないといけませんね。
日々勉強。
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