中長期的なインデックスの積み立て投資は、初心者でも高確率で利益を出すことができる投資手法と言われています。
初心者でも上級者と同レベルの投資ができるのが、インデックスの積み立て投資です。
ですが、同じインデックスに投資していても証券会社やファンドによって成績が左右されるため、各自にとって最適な投資戦略を事前に決める必要があります。
昨今、大手ネット証券が投資信託の積立にクレジットカードを利用できるサービスを発表しています。
(楽天証券は以前より対応していた)
これによって、1番お得にポイントを稼ぐ方法がアップデートされます。
今回は投資信託でインデックス積み立て投資を行う場合、どの証券会社が一番利益を出すことができるのかについて比較していきます。
今回比較するのは次の3社です。
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
どこで利益に差が出るのか?

「eMAXIS Slim」や「ニッセイインデックスファンド」などの主要な投資信託は、今回比較する3社の全てで購入することができます。
なので、どの証券会社で投資信託を購入しても同じ運用成績となります。
では、どこで差が出るのでしょうか?
ポイ活による利益の向上
3社それぞれポイント還元の制度があります。
投資信託を購入したり保有して獲得したポイントを、更に運用に廻すことで投資資金を増やすことが出来ます。
証券会社によってポイント還元の制度が異なるため、同じ投資信託を購入したとしても成績に差が出てくるのです。
ポイ活による利益の向上を狙いましょう。
証券会社 | ポイント | ポイントでの投信買付 | |
---|---|---|---|
SBI証券 | Tポイント Vポイント | 可能 可能 | |
楽天証券 | 通常楽天ポイント | 可能 | |
マネックス証券 | マネックスポイント | 不可 |
マネックスポイントは投資信託の購入に使用できないことに注意が必要です。
売買手数料(外国株・NISA口座を除く)やCoinCheckでの仮想通貨への交換、Amazonギフト券やTポイント等への交換などに利用できます。
最近のSBIは付与されるポイントの種類が頻繁に変わるので非常にわかりづらくなっていますね。
お得な投資手法!
それでは早速、どの証券会社で投資信託を購入するのが一番お得なのか比較していきましょう。
お得な買い方

投資信託を購入する際に貰えるポイントは次のとおりです。
証券会社 | 買付時ポイント還元 | 条件 |
---|---|---|
SBI証券 | 0.5%(上限250ポイント) | 三井住友カードが発行するクレジットカードでの購入(2021/6/30から) |
楽天証券 | 1%(上限500ポイント/月) | 楽天カードでの購入 |
マネックス証券 | 1%(仮) | マネックスカードでの購入(開始時期未定) |
楽天証券では毎月5万円まで楽天カードで投資信託を積み立てることが可能です。
楽天カードは1%還元なので1ヶ月あたり最大で500ポイントが獲得できます。
また、マネックス証券では2021年5月19日からマネックスカードがローンチされました。
この執筆時点ではマネックスカードでの投資信託の購入はできませんが、楽天証券と同様に投資信託の積み立てが可能になる予定です。
マネックスカードでも月5万円まで積み立てが可能になると仮定すると、1ヶ月あたり最大で500ポイントが獲得できます。
一方、SBI証券では2021年6月30日から三井住友が発行するクレジットカードでの積み立て投資が可能になります。
ポイント付与率は0.5%と低く設定されています。
これは三井住友カードのポイント還元率が0.5%であるためです。
2021年8月~2022年1月の買付分についてはポイント付与率が1.5%になるキャンペーンを実施します。
この期間中は1ヶ月あたり750円相当のVポイントが獲得できます。
詳細は公式サイトを確認してください。
https://go.sbisec.co.jp/lp/sbixsmbc_210518.html
3社全てででそれぞれ5万円ずつ積み立てを行うことで毎月1,250円相当、年間15,000円相当のポイントが獲得できます。
このポイントは投資信託を購入するだけで貰うことができるので、購入した投資信託を1日で売却しても問題ありません。
一時的に最大15万円の支払いが発生しますが、現金化が可能なので実質コストを0にすることも可能です。
購入後にすぐ投資信託を解約する場合でも、わずかに価格変動リスクが発生することには注意してください。
即売却して購入時のポイントのみを取得する運用を行う場合、不要な価格変動リスクを最小限に抑えるため、変動幅の小さなファンド(債権等)の購入をオススメします。
そのため投資に回せる資金が少ない人でも問題なく実践が可能な手法です。
主要な投資信託商品は売買手数料が無料になっています。
お得な保有方法

投資信託を保有し続けることで貰えるポイントは次のとおりです。
証券会社 | 年間ポイント付与率 | 条件 |
---|---|---|
SBI証券 | 0.0374% | - |
楽天証券 | 残高10万円ごとに毎月4ポイント(最大0.048%) | 「マネーブリッジ」および、「楽天銀行ハッピープログラム」の登録 全銘柄で一定の付与率 |
マネックス証券 | 0.03% | - |
楽天証券は10万円ごとに月4ポイントの付与となっているため、最大で9万9,999円分のポイントがつかないことに注意が必要です。
(最大で4ポイント×12ヶ月の48ポイントが付与されないことになる。平均では24ポイント程度。)
SBI証券では対象の商品によってポイント還元率が異なるため、場合によってはSBI証券が最も得になります。
SBI証券での最大付与率は0.2%ですが、主要な投資信託では最大0.05%なので楽天証券と同レベルになります。
https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/home/pop6040_fundmileage.html
また、SBI証券で投資信託保有額に応じて貰えるポイントは、TポイントとVポイントの2種類があります。
SBI証券の口座を三井住友カード経由で開設した場合にはVポイント、それ以外の場合にはTポイントが付与されます。
マネックス証券では最大0.08%の付与率になりますが、主要なファンドは0.03%になっています。
https://info.monex.co.jp/service/point/fund.html#fund_B
以上より、平均的には楽天証券で保有するのが最もお得であると言えます。
「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」などの一部銘柄ではSBI証券の付与率が0.05%となり、最もお得になります。
楽天証券は0.048%なので、0.002%の差(100万円あたり年間20円相当)です。
お得な投資手法まとめ

前項よりお得な購入・保有方法は次のとおりとなる。
- SBI証券:三井住友カードで限度額いっぱい(毎月5万円)積み立てる(2021/6/30から)
- 楽天証券:楽天カードで限度額いっぱい(毎月5万円)積み立てる
- マネックス証券:マネックスカードで限度額いっぱい積み立てる(2021/5/19時点では不可)
- SBI証券では保有し続けない。
- 楽天証券で保有する。
- ファンドによってはSBI証券が最もお得になる。
これらを踏まえると、最もお得な積み立て投資は次の通りとなる。
※執筆時点ではマネックスカードでの投資信託買付は出来ないが、月5万円を上限に購入ができると仮定して計算しています。実際の還元率とは異なる可能性があることに注意してください。
- 三井住友カード、楽天カード、マネックスカードで限度額いっぱいまで積み立て投資を行う。
- SBI、マネックスで購入した投資信託はすぐに解約して現金化する。
必要であれば解約した金額を楽天証券に送金して、楽天証券で投資信託を購入する。 - クレジットカードでの購入条件以上の投資信託を購入する場合は楽天証券で購入する。
モデルケース1
毎月15万円分の投資信託を積み立てる場合。
- 各証券会社で毎月5万円分をクレジットカード経由で購入
- SBIとマネックスで購入した投資信託は即日解約
- 解約した資金を楽天証券に移動
- SBIとマネックスから楽天に入金された資金で投資信託を購入
獲得ポイント
買付:毎年 15,000円相当
保有:1年目 456円相当
2年目 1,320円相当
3年目 2,184円相当(以降毎年864円相当ずつ加算)
モデルケース2
毎月15万円分の投資信託を購入し、5万円分は現金に戻す場合。
- 各証券会社で毎月5万円分をクレジットカード経由で購入
- SBIとマネックスで購入した投資信託は即日解約
- 5万円分は預貯金口座に移動、残りの5万円分は楽天証券に移動
- SBIとマネックスから楽天に入金された資金で投資信託を購入
- (毎月10万円分の積み立て)
獲得ポイント
買付:毎年 15,000円相当
保有:1年目 312円相当
2年目 888円相当
3年目 1,464円相当(以降毎年576円相当ずつ加算)
モデルケース3
3社を管理するのがめんどくさいから還元率の低いSBI証券を利用しないケース
- 楽天証券、マネックス証券で毎月5万円分をクレジットカード経由で購入
- マネックスで購入した投資信託は即日解約
- 解約した資金を楽天証券に移動
- マネックスから楽天に入金された資金で投資信託を購入
- (毎月10万円分の積み立て)
獲得ポイント
買付:毎年 12,000円相当
保有:1年目 312円相当
2年目 888円相当
3年目 1,464円相当(以降毎年576円相当ずつ加算)
まとめ

以前より楽天証券ではクレジットカードでの投資信託の積み立て購入が可能でしたが、ここに来て競合他社が類似サービスを展開し始めました。
これによって最大で年間15,000円相当の買付時ポイント還元を受けられるようになります。
毎月15万円の支払いが発生しますが、購入した投資信託はすぐに売却することができます。
(マネックスカードで5万円分の買付ができるようになることを仮定)
また、楽天証券で投資信託を一括管理することで、毎月保有残高の0.048%分のポイントを獲得出来ます。
ファンドによっては楽天証券よりもSBI、マネックスの方が高くなるため、1ポイントでも多く獲得したい!という人は、運用しているファンドの還元率を確認してみてください。
ですが、楽天証券の投資信託管理画面は非常に優秀なので、還元率の差はシステム利用料と割り切ってしまうのもオススメです。
銀行で預金するよりもよっぽど高い利回りですよね。
あおぞら銀行には負けますが。
どの証券会社が覇権を握るのだろう・・・
手数料の引き下げ合戦やクレジットカード対応など、顧客の争奪戦が激化していますね。
各社で利用可能なクレジットカードの会員数は以下の通りです。
- 三井住友カード :4,754万人(2019年時点)
- 楽天カード :2,100万人(2020年時点)
- マネックスカード:0人(2020年時点)
クレジットカードの普及率的に5月から新しく発行されるマネックスカードが圧倒的に不利な状況です。
SBI証券がミライノカードを使わなかったのは会員数の問題からでしょうか。
ミライノカードを普及させることよりも、SBI証券の投資信託取扱高を増加させることに注力しているように見えます。
クレジットカードの普及率的にSBI証券がリードしていますが、クレジットカードでの積み立てに興味を持っている顧客層はポイント還元を重視する人たちだと考えられます。
三井住友カードはポイント還元率が他社と比較して低く設定されているので、この点が致命的な欠点となりそうです。
マネックス証券の発行するマネックスカードはポイント還元率は1%なので楽天カードと同等です。
ですがポイントの利用方法が限られてくるため、1ポイントの価値では楽天ポイントのほうが上でしょう。
新しくクレジットカードを契約しなければいけないことも欠点の一つです。
これらの点から考えると楽天証券の優位性は崩しきれないのでは無いでしょうか。
楽天証券を利用した上で投資余力があればマネックスやSBIも利用するといったような、セカンダリ証券会社としての立ち位置になってしまうような気がしてしまいます。
あれ。楽天証券って最強?
とは言え
SBIにはSBI銀行を経由した低スプレッドでのドル転
マネックス証券には米国株の時間外取引やトレールストップ
といった他社にはない優位性が残されています。
投資効率を高めるためには複数の証券会社の情報をチェックして適切に利用していく必要がありますね。
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